
重たくてモッタリ感がありますが、なんとなく愛嬌のある角皿です。
模様のところに薄っすらと色化粧が施してあり、
そこが少しオシャレと言えなくもないかな?!

はじめての金彩のお皿です。
最初はこんなものかもしれませんね・・・

黒と白に見えますが、外側の切立部分には窯変釉がかかっています。
そば屋さんからの注文で、お店に並ぶことも無く、即使われるそうです。
手持ちの酒器をつゆ入れに見立て、そば猪口と一緒に組み合わせてみました。


今日は<春節>、旧暦の元日です。
私自身は旧暦の方が心身になじむ気がします。
まだまだ寒いですけど、すぐそこに春の気配がして・・・
今朝なら「初春のおよろこびを申し上げます」と、素直に言えそう。
(年賀状書かない人間のいい訳みたいですが・・・)
透明釉をつや消し釉にするには、土(カオリン)を入れればよい、というのが釉薬の基本的な考え方です。
作者のvol.1と4の青磁が透明釉に当り、vol.2と3がつや消し釉になります。
以下、カオリンを加えることで青磁釉がどのように変化していったのかをみていきたいと思います。

vol.1で紹介いたしました作者にとってのオーソドックスな青磁(透明)釉です。
作者は釉のテカリ具合がなんとも気に入らず、それを抑えるためにカオリンを添加したり、焼成方法を変えてみたりします。

そうした中で生まれたひとつが、vol.4で紹介いたしました条痕青磁釉です。
まだ透明感が残っており、さらにまったりとした青磁釉になるよう試験を重ねます。

その結果vol.2で紹介しましたつや消し釉の青白磁釉が生まれてきました。
作者の基礎としている釉にカオリンを加えていくと、色目はどうしても青から緑へと変化します。
このあたりの説明はかえってややこしくなりますので省きます。
釉肌自体にテカリは無くなったものの、色目が気に入らないと言って作者はまた試験を始めます。
今度は色の方ですから、鉄ならびにその他の鉱物を加えたり引いたりしていく作業をします。
vol.2でも書きましたが、青磁釉は鉄による発色ですから・・・

で、最終的に納得したのがvol.3で紹介しましたつや消しの青磁釉となる訳です。
釉薬の基本的な考え方と作者の青磁釉の流れ、ご理解していただけたでしょうか?!
下の写真は最近の青白磁と白磁です。
これは上でみてきた青磁釉と基礎釉が異なるので、つや消し釉でも青の発色をしています。




作者は左手に腱鞘炎を患い、ろくろは諦めタタラで器作りをする決心をし、独立しました。
何年か治療を施した効果がやっとあらわれ、ろくろが挽けるようになった最初の器が上の向付です。
10年ぐらいブランクがあって、ろくろ歴4年目といったところでしょうか?!
この器は前回まで紹介してきました半磁器土とは違い、白土でつくられています。
青磁といっていいのかどうか判りませんが、商品名は確か条痕青磁だったと思います。
少し専門的になるかもしれませんが、
青磁ならびに青白磁について、作者がどのような試みをしていったのか、
また釉薬の基本的な考え方を次回説明したいと思います。


かなり厚めに釉を施してあるので、もったり感がありますが、いい色合いです。
この青磁はこのとき以来商品化されることも無く、ず~っと眠り続けています。
もうそろそろ目覚めてもよさそうなものですが・・・
半磁器土の器作りはここで一旦終止符を打ち、作者の器作りはこのあと白土へと移行していきます。






パッと見、白磁に見えますが、よ~く見ると薄緑の釉が流れているのですが、わかりますか?
これは、釉や土の中に含まれている少量の鉄分による発色なんです。
また御本手(ピンクっぽいところ)が出ていますが、
それは器を直接棚板に置いたり器の底にめをした所で、還元のかかりが悪くなって中性気味になったためです。
作者は木の葉皿と切立(きったち)の形が好きで、このあと木の葉皿は色や形を変え度々登場します。
一方切立は、お店の方に「売れないから」と断られてつくっていなかったのですが、最近またつくるようになりました。
評判も上々で、作者もご満悦の様子。
今朝は少し出遅れなんとか3本ひねってきましたが、午後から続きしなくっちゃ!
長さ的には合っていたのですが、奥行きが1cmも違っていました。
要はひねる時に真ん中あたりの胴回りが細すぎたということになります。
正月ボケでもしていたんでしょうね、勘違いするだなんて・・・
窯の方は、2回目そこそこうまく焼きあがりました。
初窯の不調の原因は一体なんだったんだろう?
理由がわからずじまいです・・・
「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
作者の器は、薄くつくりすぎたのか面取りしたところが大半切れていた。
そして何故か全般に色合いが悪い。
火の回り具合が変わってしまったのか?
実は、一番下の棚板が少しだけ他のよりも小さかったので、
年末に思いきって新しいのを2枚買い、全部の大きさを揃えたのだ。
色がきれいに出ていないのは、それしか考えられない。
いつも微妙なところで窯焚きをしているので、ちょっとした変化が命とりになってしまう。
一方私の器は、完璧に私のミス。
ちゃんと収縮率を考えてつくったつもりだったのに、大きさが違っていた。
何か勘違いをしていたのかもしれない。
納品が15日なので、今からつくり直しても間に合わない。
とりあえず寸法違いのを納めて、また新たにつくり直すしかなさそうだ。
仕事をする気力も萎えてしまったが、そんなことを言っている場合ではない。
作者は「くそ~、くそ~」と言いながら仕事をはじめ、私はため息ばかり・・・
ヤレヤレ、初窯がこんなではこの先が思いやられる。