森 利光さん <陶芸家> vol.1
実はこの方、歳は作者よりも若干お若いのですが、陶芸においては大先輩であり、作者富田正の
お師匠さん的存在であります。
信楽から西へ車で30分程の大津市大石に、森利光さんの自宅兼工房はあります。
目の前を瀬田川が流れ、川沿いには遊歩道があり、その歩道から山まで毎日森さんは3キロほど
ウォーキングをします。
また自宅横には畑があり、家の西南には日よけ用にゴーやが植えられていました。
独身の森さん、健康を維持するための管理を怠ることはありません。
なんといっても周りに家はなく、何かあった時は人知れず・・・ということになりかねませんから
ね。
まぁ前置きはこのぐらいにして、森さんの作品を年代を追って紹介していきます。
昭和26(1951)年、京都で生まれた森さんは、高校を卒業後京都府立陶工訓練校に
入り、1年間轆轤の技術習得に励みます。
卒業後、宇治市炭山の荒木義隆氏に師事し、5年間の修行を積み、その後2年あまり
全国津々浦々(北は北海道、南は屋久島)と各地の窯を見ながらの修行。
そして昭和52(1977)年、信楽の某製陶所にろくろ師として入社するのですが、ここで森さんと
作者は出会うことになる訳です。(ついでに私もです)
<写真は上から順番に、45歳・40歳・35歳・50歳・55歳の作品です。>
これは、勤務終了後に創っていたものです。
大まかな形が出来ると、作品を部屋に持って入り、お酒片手に愛しむように細かな作業をしていました。
「これは何?」と聞くと「森羅万象」と答えられ「ふ~ん、森羅万象かー。」
と、わかったようなわからないような・・・・・。
ただ、つくっていたときのエネルギーのすごさ(本人も作品も)は感じられました。
(この時、森さんは26歳、作者は28歳、私は19歳。 あー、若かったなあ~。) つづく