森定 道広さん <コントラバス奏者> vol.2
5歳の男の子のお父ちゃんである森定さんは、1950年生まれ。
高校生の時に、キャバレーでドラムを叩いていた彼は、
20歳になるとコントラバスを弾き始め、音楽活動を開始。
小杉武久を追って、一時はアメリカに渡ることも考えた30代の頃、
職業音楽に嫌気がさし、6年程活動を休止。
再び活動を始めた時、楽器を演奏することが楽しくて楽しくて、
演奏日前日などは嬉しくて眠れなかったとのこと。
そんな日々が2~3年続くのですが、
どこかで自分は本当は音楽に向いていないのではないか?と悩み始めます。
普通の音楽家がコツコツとしなければいけないことを自分は一切していないと・・・。
でも、我流でやってきて欠けている部分、それをいい方にものにする、
そこが面白いんじゃないかと、実にポジティブに考えを改めるんですね。
演奏中、雑音は一切気にならないという森定さんは、
子供の泣き声だろうが、車のクラクションだろうが、それさえも引き受けて自分の音楽にしてしまうパワフルな演奏家!
海外演奏に行かれるときでも、ご自身の楽器は持参せず、その場で調達します。
ただ、国によってはコントラバスの用意ができていない、ということも・・・。
そんな時でも慌てず騒がず、そこらにある楽器でライブをしてしまいます。
お客さんがいないと弾けないからライブをすると仰る森定さんは、
家でも練習はしません。
コントラバスはケースに入ったまま、へやの片隅に置かれていました。
「かびが生えるよー。」というと、
「そんなん日本に住んでて気にしてられへん。」と実に大らかな(?)返答。
そんな森定さんに理想とする音楽をおたずねすると、
「格調のある音楽。」
(???)
ただ者ではない彼の言葉は続きます。
「おー、ええやん!みたいな見事なもんを出しておいて、でも最終的に間が抜けてるような・・・。
りっぱなもんを出さんと誰も聴けへんやろ?でも、底抜けてるやん!みたいな。」
「その反対は?間が抜けてるようで実は見事なんていうのは・・・」
「そりゃ、そっちの方が難しい。そやけど、それってイヤミやん。」
「う~ん、確かに…」
もっともっとお話をお伺いしたかったのですが、時間の都合上ここまでです。
8月16日に信楽町神山の山田牧場で「メロンオールスターズ」のライブがあります。
お近くの方、生の音と舞踏を楽しんでみませんか?!
17時開演、料金は前売・当日共2000円です。
詳しくは森定道広さんのサイト「水の上」をご覧下さい。