ぎゃらりぃ 日月

藤本 秀さんの巻  その2   (信楽焼締め作家)

前回3/9(日)の続きです。

<藤本氏自身に辿り着くまでの3つの関門>
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①信楽焼締めに到る話
小さい頃から絵を描くことが好きだった藤本氏は、大人になって種々の素材を使い
造形に取り組み始めます。
ある時、土を触る機会があり、その土の面白さの虜になってしまわれたとの事。
藤本氏いわく、
「土は素材そのものに制約がない分どうにでもなり、自分で絞り込めるので、自分
の素性に馴染み夢中になれる。」
信楽焼締めをするようになったのは、家の近所ということもあったらしいのですが、
古い信楽の大壷やうづくまるを何度も見ているうちに魅了されたとのことです。

ーさて何を聞こうかなぁ、と考えていたら藤本氏が「最近読んだ本や見た映画の事
は聞いてくれへんの?」と助け舟を出してくださったので、「では、それおねがいし
ます。」
ということでd0138203_10362350.jpg
②最近読んだ本や見た映画(DVD)の話
花村萬月の『惜春』のあらすじを20分程かけて、お話して下さいました。
内容を一言でいえば、辛酸を舐めてきた青年が多くの体験を経ていく中で、意識が
変化し、それと共に周りの状況も変化していく、といったことです。
ただ、おなじ仕事をしているのですが、ラストシーンの方では
「さあー、今日も仕事するぞ!」と意気込みが違うんですよね。
あと、辺見庸さんの『たんば色の覚書』も良かったとおっしゃるので、あらすじは聞
かずにその本は借りることにしました。
辺見さんの文章というか文体が好きなんだということですが、昔のほうがもっとシャ
ープで良かったなあー、とも・・・。
それと映画は『アメリカの森』。戦争後遺症の残るベトナム帰還兵たちの物語です。

ー「藤本さんは人間が好きなんですね」と問いかけると、「いや違う、人間に興味があるだけや。」 
と、ここから熱い話が始まります。

③人間観・哲学的な話 
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「人間はおもろい、人間ほどすごい動物はおらん。人間は多義に渡って行動する
動物や、そやからすごい。」
「人に出会うと心を動かされる。
特にすごいと思う人は、自分の目指すところを深く掘り下げ突き抜ける、僕なんか
ではとても手の届かないような人。たとえば、このごろは科学者がすごいと思う。
宇宙の真理に近づくための追求、組み立てや立証・・・。」
                     *
「そやけど人間も他の動物と一緒で、生き抜くこと、生きようとする意志が肝心や。」
ーその拠り所は?
「拠り所は単なる手がかりや。何の拠り所も必要とせんのが仏教やと思う。」
ー(ここは少し説明がいるかもしれません。
  私がキリスト教なら聖書、イスラム教ならコーランという指針みたいなものが
  ありますが・・・。と訊ねた後の流れです。)
                     *
「人間って多様やんか、なんで存在してるんやろ?なんであるんや?」
ー藤本さんにとって、その存在というのはどういう存在なのでしょうか?
「産み出されたもんや」
そこで、お弟子さんである越沼さんいわく、
「藤本さんは複雑です。
僕は藤本さんと出会って、今まで目を向けなかったことに目を向けるようになりました。」

ーーー少しだけ、藤本氏が見えてきたような気がしませんか?
    私には息抜きはあっても、「生き抜く」という考えはなかったです。
    確かに藤本氏は生き抜く力強さを持っておられる方でした。


3月19日(水)~3月25日(火)まで
相模原市の伊勢丹にて藤本氏の陶展が開催されます。
お近くの方はぜひ、生の作品をご覧になって下さい。
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藤本 秀
〒529-1803  滋賀県甲賀市信楽町牧1番地33
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by utuwa-seisyo | 2008-03-11 12:01 | 御近所陶芸家探訪 | Comments(2)
Commented by いちい at 2008-03-12 13:09 x
富田さん、ゆかりさん、こんにちはー!
こんなおもしろいブログをされていたなんて!
このインタビューとてもおもしろいですね。

私も最近ブログに引越してきたので、どうぞよろしくです!
Commented by utuwa-seisyo at 2008-03-14 17:59
みかちゃんへ
これを読んで面白いって思えるのは、みかちゃんが藤本さんや私のことを知ってるからだよ。
でも確かに数箇所に伏線を張っています。
さすがにみかちゃん、私の考えを見通してますね(^_-)-☆